Diamond Story

Diamond

ダイヤモンドという言葉はギリシャ語のアダマス(”征服されざる”の意)が語源です。
熟練したカッターにより丁寧に研磨されたダイヤモンドの表面は
Adamantine Luster(何者にも犯されざる輝き)といわれ、
自然界でもっとも硬く変質しがたいこの宝石の性格をよく表しています。
宝石がいつの時代でも価値あるものであるために、備えていなくてはならない事柄をわかりやすくいうと
Beauty「美しさ」
Rarity「希少性」
Durability「普遍性」“価値の持続” 輝きや形や色がいつまでも変わらないということ。
Portability「携帯性」“価値の集約” 身に着ける事が容易で移動が簡単。たとえば災害や社会変動によってお金の値打ちが なくなってしまった場合でも遠くに持っていけて、お金と同等の価値を持つということ。
などが挙げられます。
ダイヤモンドはこれらの要素をすべて兼ね備えたまさに王様と呼ぶにふさわしい宝石で、大昔から常に人々を魅了し続けてきました。
インドではすでに紀元前800年という時代からお守りとして尊ばれていました。
ダイヤモンドの品質をよりわかりやすく説明するための基準として「4C」という言葉があります。ダイヤモンドの「4C」については、どちらのショップを訪ねても多かれ少なかれ販売員から説明がされているので、たぶんよくご存知のお客様も多いかと思います。
ダイヤモンドの「4C」基準は、もともとジュエラーがダイヤモンドを取引する上で、より明解で情報交換もしやすいといった観点から GIA(Gemological Institute of America 米国宝石学会)によって考案されました。
一般にも広く知られ、今では選別上の世界基準といっていいものです。
ブライダルダイヤモンドという習慣をマーケティングにより日本に根付かせたデビアス社(ダイヤモンドの市場価格をコントロールしているといわれた世界最大のシンジケート)が、はじめに「4C」による販売促進ツールをつくりました。
「4C」というひとつのダイヤモンドの見方は、学歴至上が謳われ右肩上がりの景気を謳歌していた頃の国内マーケットにまたたくまに浸透していきました。

「4C」の詳細についてはページ末尾に記してありますが、Dカラー・フローレスを頂点にあとは減点評価されていくというグレーディングスケール(等級のモノサシ)は明快で分かり易く、いつのまにかダイヤモンドの「美しさ」を定義する主役となりました。
本来広がりや奥行きを持つ「美しさ」はグレーディングというモノサシだけで測れるのか。

1999年代後半になってデビアス社は新たな販売施策を公表しました。
まずは販売員に向けて「4C」は「美しさ」の基準とはなりえない、ということをはっきりと打ち出しました。
10億年という気の遠くなるような長い年月をかけて自然に育まれ、私たちに「普遍」や「美しさ」という夢を与えてくれるダイヤモンドの一粒を自らの目で確かめ、選ぶ、というシンプルな結論です。

4C
Carat 1カラットは約0.2g。もともとお豆ひとつの重さの単位からきています。
Clarity 研磨されたひとつのダイヤモンドに含まれる結晶のヒズミや含有物といった 個々のダイヤモンドそのものがもっている先天的な性格のほかに研磨跡などの後天的なものを含め、 輝きに影響があると思われるポイントを抽出して等級を約10段階で表示します。
Color 一般に蒸留水にたとえられる無色透明、ピュアなダイヤモンドにはまったく色がありません。
光の反射によるプリズムのような色の変化(自然光と人口光では変化の仕方が異なります)ではなく、 ここでは自然が生み出したダイヤモンドという石そのものがもともともっている色のことについて 評価がなされます。意外なことにダイヤモンドにはさまざまな色をもつものがあります。
ブルーやピンク、グリーンなど産出量としてはごく少量ですが その希少性から無色のものよりずっと高値で取引されているものもあります。
国内では比較的敬遠されがちのイエローやブラウン系のダイヤモンドも、 透明度が高く発色の美しいものには無色のものと変わらないかそれ以上の価値があります。
色の等級は無色透明のDからZまで23段階で表示され、順次なにがしかの色を帯びてゆきます。
Cut 「4C」の中で唯一、ヒトによって左右され得べき基準。
原石の形を整え、研磨し、ヒトが手を加えないことにはダイヤモンドもキラキラとは輝かない。
形づけと研磨の仕上りの良し悪しを見きわめます。ダイヤモンドの輝きを左右するとても大切な要素です。